さかのぼるは平日の昼下がり
学生時代の友人とデパートの屋上で子供たちを遊ばせていました。
友人は、年少の男の子と1歳の女の子の母親。
うちの娘と同学年ということもあって、しょっちゅう一緒に遊んでいます。
幼稚園に入園してからは会う機会は減りましたが、年齢が高くなるごとに子供たち同士の仲間意識が強まって、今ではどんな場所でも手を取り合う仲。
友人の息子は幼稚園では女の子とは遊ばないそう。
まるで小さな恋人です。
友人の子供にちょっかいをかける男の子に手をやく
ムスメを友人にお願いして飲み物を買って戻ってくると、友人がひとりで自分の子供2人+ムスメ+見知らぬ男の子、合計4人の面倒をみていました
そして、息子くんと見知らぬ男の子の仲裁をしている様子。
どうやら、ある男の子が友人の息子くんの邪魔をしたり、突き飛ばしたりしているらしい。
一緒に遊びたいという気持ちも見え隠れするのだけど、けんかになるのでひとときも目が離せず仕方なく付いて回っていると。
男の子は、3歳早生まれの娘よりやや小さめの体格。
言葉の発達具合から未就園の3歳くらいに見えました。
視界の範囲に保護者と思われる人が見当たらない
親は何をしているの?息子が他の子供に手をあげているよ!!!と親を責めたい気持ちちにかられましたが、肝心の親が見当たらないのです。
1歳くらいの男の子を連れたママがひとりいたので、弟の面倒でお兄ちゃんまで手が回らないのかなと思っていました。
それにしてもお兄ちゃんには一瞥もくれないなんておかしい。
のちに母親は別人だとわかります。
こどもたちに強引に付いて回る男の子、本音はママと遊びたい
友人の息子くんについて回り、それだけなら微笑ましいのですが、妨害をしてくる。
友人の息子くんはとてもストレスを感じている様子。
「押さないで!」
「それはやりたくない!」
「じゃましないで!」
友人息子くんにとって、今遊びたい相手は久しぶりに会ったムスメ。
一生懸命男の子に気持ちを伝えますが、一向にわかってくれません。
友人息子くんも手が出る寸前です(すごく我慢していた。立派。)
これ以上はもう無理だなと、私は子供たちの気を逸らそうとかくれんぼに誘いました。
男の子も隠れます。
無視をするのは心が痛むので、男の子も見つけてあげます。
そのあとは鬼ごっこ。
そこで男の子のスイッチが入ったらしく、なんどもなんども私に鬼をやるようにせがみます。
しまいには、鬼をやるように思い切り背中を叩かれ「痛い!」と悲鳴をあげてしまったほどです。
男の子にはママを叩いちゃう子がときどきいますが、ムスメはそういった面ではおとなしいので免疫がなく心底驚きました。
わたしも疲れたし、せっかく買ったキャラメルマキアートも冷めちゃったし、ムスメも友人息子も飽きちゃうし、もう無理だよと諭すと
「ママと遊びたい!」
と男の子はいうのです。
そうだよね、ママと遊びたいよねとママの元に戻るように諭すと「ママ!」と指差したその先には…
わたし
えっ?ママ?タダモモがあなたのママ???
「誰がママ????」
何度聞いても、ママはタダモモを指しているみたい。
「私は僕のママじゃないよ、あそこにいる女の子のママだよ。僕も本当のママがいるよね?」
こう問いかけるのに、ひどく胸が痛みました。
タダモモはたったひとりの育児経験鹿ありませんが、初対面の他人を「ママ」と呼べるほど、ムスメにとってママは軽い存在ではありません。
それどころか、私以外はどんなことがあっても決して「ママ」と呼ばない、呼べないくらい貴重で大事な存在だということを知っています。
この男の子にとって、「ママ」とはどんな存在なのでしょう。
母親は本に目を落としたまま、決して息子に目を向けなかった
くだんの男の子がときどきおやつを食べに戻ったベンチ。
そこには母親にしてはやや高齢の女性が座っていました。
私たちが座って遊んでいるベンチのすぐ側です。
私たちが男の子に「危険なことはやめるように」「嫌がることはやめるように」「保護者と遊ぶように」と諭してるのもはっきりと聞こえる位置です。
屋上庭園にきたときからその女性がいるのは知っていましたが、こちらに目を向けることなくずっと静かに本を読んでいたので、ひとりで読書にきたのだと思っていました。
シッターかと思って、「あそこにいるのはお母さん?」と男の子に確かめるとうなずきました。
「本当のお母さんと遊びたいよね?」という問いに「うん。」と答えた男の子。
それが聞こえていても、男の子を迎えにこなかった母親。
男の子は上等な洋服を着ています。
おやつも与えているようですので、ネグレクトではないと信じたいです。
私は元子供嫌いな人間です
子供を産んでも子供が苦手な母親がいても仕方ないとすら思っています。
すべての親が子供を愛せるとは思わないけれど、産んだのならば責任は果たして欲しい。
子供を産む責務とは、衣食住だけではないはずです。
母親へのあふれんばかりの愛情を他人にぶつけてしまう男の子。
今後、あの男の子はどう育っていくのでしょう。
私にはどうすることもできず、ただ胸がえぐられる思いが残るばかりです。
本日もお読みただきありがとうございました。
▼参考:子供嫌いのタダモモにとって、母親になるのはとても勇気のいることでした
◎私が子供を産みたくなかった理由を淡々と述べてみる
◎子供が嫌いで産みたくなかった私が、子供を産もうと決意した理由を淡々と述べてみる。
◎子ども嫌いの女性の心理。元子ども嫌いがズバッと語る本音と建て前。